タイ古式マッサージの起源 |
仏教の開祖、仏陀の主治医であり「タイ医学の父」と称えられている Kumar Bhaccha(ジバカ・クマー ・バッカ)を創始者として、2500年もの間語り継がれ医学書にも書かれました。 彼はマッサージだけでなくハーブ、ミネラルによる治療の知識も同時に伝えています。 しかしながら、18世紀のビルマによるアユタヤ侵略でほとんどの貴重な本を破損。残った教書は1832年ラマ3世により、バンコク最大の寺院ワット・ポーにて石碑に刻まれました。 全長46メートル、高さ15メートルの巨大な仏像が横たわり、その中には60もの石碑と、生命エネルギー「SEN」の道が描かれています。寺院の外には石像が群がり、タイ古式マッサージのあらゆる技法を示しています。 その技法は現代まで受け継がれています。 |
タイ古式マッサージの技法 |
タイ古式マッサージは、インドの「アユールヴェータ」、中国の「トゥイ・ナー」、日本の「指圧」と技法体系を同じくし、これらを合わせもっています。 人体には72,000もの見えないエナジーラインがあると考えられています。タイ古式マッサージは、このエナジーラインのうちもっとも重要と思われる10本に注目し、これを「SEN」と呼んでいます。 この10本の線と生命の点に対する手掌圧迫と圧迫移動に、ヨガ技法を導入した筋肉の伸縮、背骨、骨盤、関節などのストレッチが含まれます。 不調の根源は足にあるという考えから、マッサージは足から始まります。 関節の付け根を押さえ、血の巡りを一瞬止めるなど、血液コントロールを行いながら、徐々に身体の上部へ向かって全身をほぐしていきます。 その場しのぎとは違い、血行を促しながら筋肉の柔軟性を高め、体質を改善するのがタイ古式マッサージです。セラピストが拇指や掌だけでなく足や肘、膝を使ったさまざまな技法で施します。 |
東洋医学の考え方 |
東洋医学というと、何か魔術めいた印象をお持ちの方も多いかと思います。それはわたしたちが普段お世話になっている西洋医学との違いが、そう思わせているのではないでしょうか? 投薬や手術によって悪い部分を直接治療するのが西洋医学の基本といわれます。一方、東洋医学は、直接患部を手当てすることはありません。なのに症状が良くなるというわけですから、やはり魔術? 東洋医学の考え方の基本は3500年前に遡ります。人体は「気」(生命活動を営み、健康を維持する源)、「血」(体内を巡って栄養を与えるもの)、「水」(体調を整える体液・リンパ液)この3つのバランスがうまくとれている時が健康な状態で、バランスが崩れると病気になってあらわれる。という考えです。 患部を直接治療する西洋医学との大きな違いともなりますが、人体を全体で捕らえた療術法である東洋医学に基づけば、決して患部を直接手当てすることはありません。 ですから「肩こりがひどいので肩のあたりを」「足がむくんで辛いので足を」なんていうマッサージでは、その場凌ぎにしかならないことがおわかりいただけると思います。 ちなみにタイ古式マッサージでは、手首や手指の付け根あたりも押しもみしますが、これが肩こりに効くとされています。 |
日本の指圧との違い |
日本の指圧では肩や背中が主です。グィグィと押されると気持ちいいですね。 一方、タイ古式マッサージではツボ押しだけではなく「ストレッチ」が加わっていることです。 次に施術箇所が主に「足」と「手」であることです。下肢が治療の7割強を占めます。 足に6本,手に2〜3本のエナジーラインを主として施術を行います。しかもグウ〜イといった感じ。 これは、血流調節のために圧迫法を用いているからです。体質を根本から改善しようという考えに基づいているゆえの大きな違いです。 なお、タイではフットマッサージという局部的な施術はありませんでした。 前述のようにもともと含まれているからです。 しかし最近、短時間で施術できるコースとしてワットポーでも取り入れられました。 |
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